分散した非上場株式の集約①-種類株式を利用した議決権の集約を目的として、無議決権株式を株式無償割当てする場合に取得価額が0円となる弊害を見落としていないか?

Q株式が分散しており、議決権を集約したいと考えています。配当優先無議決権株式を株式無償割当により株主全員に交付し、議決権株式のみ少数株主から買い取ることを検討しています。気をつける点はありますか?

A株式無償割当てにより交付した株式は取得価額が0円となります。したがって、交付された配当優先無議決権株式を株主が売却する際には、譲渡税(所得税/住民税)が多額となる点に留意が必要です。

解説
株式無償割当てにおいては、普通株式の保有株主に対して種類株式を交付し、発行株式数を増加することができます。そのため、議決権(株式)の集約コストを抑制するために、配当優先無議決権株式を無償割当てして、議決権(株式) 1株あたり買取単価を減少させることが考えられます。ただし、無償で割当てられた配当優先無議決権株式の取得価額は0円です。無償割当てを受けた株主から買い取る際には、株主側の譲渡益課税の負担が大きくなることに留意しておく必要があります。