組織再編税制①-単独株式移転後の100%親子関係の維持が極めて重要である点を見逃していないか?
Q単独株式移転後に、株式移転完全親法人と株式移転完全子法人との100%関係が継続されない場合について留意点はありますか?
A税制非適格となり、グループ法人税制の適用もありません。
解説
単独株式移転の場合には、株式移転完全親法人と株式移転完全子法人との間に完全支配関係が継続しない場合には、完全支配関係における適格組織再編に該当せず(法人税法施行令第4条の3第22項)、支配関係における適格要件の規定がありません(同条同項)。さらに、単独株式移転については、非適格組織再編におけるグループ法人税制の適用対象の規定がありません(法人税法第62条の9第1項)。
法人税法施行令第4条の3第22項
法第二条第十二号の十八イに規定する政令で定める株式移転は、一の法人のみがその株式移転完全子法人となる株式移転で、当該株式移転後に当該株式移転に係る株式移転完全親法人と株式移転完全子法人との間に当該株式移転完全親法人による完全支配関係が継続すること(当該株式移転後に当該株式移転完全子法人を被合併法人又は完全子法人とする適格合併又は適格株式分配を行うことが見込まれている場合には当該株式移転の時から当該適格合併又は適格株式分配の直前の時まで当該完全支配関係が継続することとし、当該株式移転後に当該株式移転完全子法人を合併法人、分割承継法人又は被現物出資法人とする適格合併(同条第十二号の八に規定する合併親法人の株式が交付されるものを除く。)、適格分割(同条第十二号の十一に規定する分割承継親法人の株式が交付されるものを除く。)又は適格現物出資(以下この項において「適格合併等」という。)が行われることが見込まれている場合には当該株式移転の時から当該適格合併等の直前の時まで当該株式移転完全親法人と株式移転完全子法人との間に当該株式移転完全親法人による完全支配関係が継続し、当該適格合併等後に当該株式移転完全親法人(当該株式移転完全親法人による完全支配関係がある法人を含む。)が当該株式移転完全子法人の当該適格合併等の直前の発行済株式等の全部に相当する数の株式を継続して保有することとする。)が見込まれている場合における当該株式移転とする。