組織再編税制⑤-株式移転完全親会社が外形標準課税における資本割を適用する場合の留意点を見逃していないか?
Q株式移転完全親会社が外形標準課税における資本割を適用する場合に留意事項はありますか?
A資本割の課税標準が軽減される特例(持株会社特例)があります。
解説
資本割の課税標準である資本金等の額の算定に当たり、持株会社(発行済株式総数の50%超を保有する子会社の株式の価額が、総資産の額の50%を超える法人)については、当該総資産に占める子会社株式割合に相当する額を課税標準から控除できます(地方税法第72条の21第6項)。
なお、持株会社特例の判定における特定子会社株式の帳簿価額は、総資産価額の計算上は会計上の簿価を用い、特定子会社株式の簿価の計算上は法人税法上の簿価を用いる点に留意が必要です(同条同項)。
また、総資産の額について、総資産の帳簿価額から子会社への貸付金等を差し引いたものとなります(地方税法施行令第20条の2の22第1項第4号)。
地方税法第72条の21第6項(資本割の課税標準の算定の方法)
6 第一号に掲げる金額のうちに第二号に掲げる金額の占める割合が百分の五十を超える内国法人の資本割の課税標準の算定については、資本金等の額から、当該資本金等の額に第一号に掲げる金額のうちに第二号に掲げる金額の占める割合を乗じて計算した金額を控除するものとする。
一 当該内国法人の当該事業年度及び当該事業年度の前事業年度の確定した決算(第七十二条の二十六第一項ただし書の規定により申告納付すべき事業税にあつては、同項ただし書に規定する期間に係る決算)に基づく貸借対照表に計上されている総資産の帳簿価額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額
二 当該内国法人の当該事業年度終了の時又は当該事業年度の前事業年度終了の時における特定子会社(当該内国法人が発行済株式又は出資(政令で定めるものを除く。)の総数又は総額の百分の五十を超える数の株式又は出資を直接又は間接に保有する他の法人をいう。)の株式又は出資で、それぞれの時において当該内国法人が保有するものの帳簿価額の合計額
地方税法施行令第20条の2の22(法第七十二条の二十一第六項第一号の総資産の帳簿価額)
法第七十二条の二十一第六項第一号に規定する政令で定めるところにより計算した金額は、同号に規定する貸借対照表に計上されている総資産の帳簿価額から次に掲げる金額の合計額を控除して得た金額とする。
法第七十二条の二十一第六項第一号に規定する政令で定めるところにより計算した金額は、同号に規定する貸借対照表に計上されている総資産の帳簿価額から次に掲げる金額の合計額を控除して得た金額とする。
一 法人税法第二条第二十二号に規定する固定資産の帳簿価額を損金経理(同条第二十五号に規定する損金経理をいい、法第七十二条の二十六第一項ただし書の規定により申告納付すべき事業税にあつては、同項ただし書に規定する期間に係る決算において費用又は損失として経理することをいう。)により減額することに代えて積立金として積み立てている金額
二 租税特別措置法第五十二条の三又は第六十八条の四十一の規定により特別償却準備金として積み立てている金額
三 土地の再評価に関する法律(平成十年法律第三十四号)第三条第一項の規定により同項に規定する再評価が行われた土地に係る同法第七条第二項に規定する再評価差額金が当該貸借対照表に計上されている場合の当該土地に係る同条第一項に規定する再評価差額(以下この号において「再評価差額」という。)に相当する金額(当該事業年度終了の時又は当該事業年度の前事業年度終了の時に有する当該土地に係るものに限るものとし、当該土地についてその帳簿価額に記載された金額の減額をした場合には、次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額を控除した金額とする。)
イ 土地の再評価に関する法律第八条第二項第一号に掲げる場合 当該土地の再評価差額のうちその減額した金額に相当する金額
ロ 土地の再評価に関する法律第八条第二項第二号に掲げる場合 当該土地の再評価差額に相当する金額
ハ 土地の再評価に関する法律第八条第二項第三号に掲げる場合 当該土地の再評価差額に相当する金額
四 法第七十二条の二十一第六項第二号に規定する特定子会社(以下この号において「特定子会社」という。)に対する貸付金及び特定子会社の発行する社債の金額
地方税法施行令第20条の2の23(法第七十二条の二十一第六項第二号の政令で定める株式又は出資)
法第七十二条の二十一第六項第二号に規定する政令で定めるものは、同号に規定する他の法人が有する自己の株式又は出資とする。