非上場株式の評価⑭-海外の資産管理会社経由で日本の事業会社株式を保有している場合に、海外法人の純資産価額において評価差額に対する法人税等相当額を日本の実効税率相当で控除していないか?
Q日本居住者がオランダの資産管理会社を経由して、日本の事業会社株式を保有しています。評価対象会社であるオランダ法人を純資産価額で評価する際に、評価差額に対する法人税等相当額を日本の実効税率に基づいて計算できますか?
Aできません。所在地国の実効税率で計算します。
解説
評価差額に対する法人税等相当額を控除するのは、会社清算時に含み益に対する法人税等の課税を反映する趣旨です。評価対象会社が海外の会社であれば、所在地国における清算時の税負担を反映する必要があります。したがって、評価対象会社が保有する日本法人株式の含み益についても、所在地国における清算時の実効税率により法人税等相当額を計算します。
国税庁/質疑応答事例/財産評価/国外財産の評価–取引相場のない株式の場合(1)
[照会要旨]
取引相場のない外国法人の株式を評価する場合、類似業種比準方式に準じて評価することはできるのでしょうか。
[回答要旨]
類似業種株価等の計算の基となる標本会社が、我が国の金融商品取引所に株式を上場している内国法人を対象としており、外国法人とは一般的に類似性を有しているとは認められないことから、原則として、類似業種比準方式に準じて評価することはできません。
(注) 外国法人とは、内国法人(国内に本店又は主たる事務所を有する法人をいう。)以外の法人、すなわち国内に本店又は主たる事務所を有しない法人をいいます。
(参考) 純資産価額方式に準じて評価することは可能ですが、その場合に控除すべき「評価差額に対する法人税額等に相当する金額」は、その国において、我が国の法人税、事業税、道府県民税及び市町村民税に相当する税が課されている場合には、評価差額に、それらの税率の合計に相当する割合を乗じて計算することができます。