組織再編税制⑥-株式移転による持株会社化に併せて無議決権株式を導入することにより、議決権の集約コストを抑制できる可能性を見逃していないか?

Q株式移転による持株会社化を検討していますが、できる限り買取コストを抑えて少数株主からの議決権集約も行いたいと考えています。よい方法があれば教えていただけますか?

A株式移転の対価として株式移転完全親会社株式2種類(普通株式と配当優先無議決権株式を、例えば1対9の割合で発行)を交付し、株式移転後に、少数株主から普通株式のみを買い取る場合には、議決権の集約コストを減少できる可能性があります。

解説
税務上の株式評価においては、原則として議決権の有無による株式評価方法に差異はありません。したがって、普通株式(議決権を有する株式)に比して、無議決権株式の発行割合を多くすることで、普通株式の一株あたり価格は相対的に低下します。株式移転の対価として普通株式に比して種類株式(配当優先無議決権株式)を多く発行しておき、株式移転後に少数株主より普通株式のみを買い取ることにより、議決権の集約コストを大幅に抑制できる可能性があります。