組織再編税制⑧-合併により被合併法人の繰越欠損金を引き継ぐ場合の5年経過ルールの留意点を見逃していないか?
Q5年前に買収した繰越欠損金を有する会社があります。合併により当該会社(被合併法人)の繰越欠損金を合併法人に引き継ぐことを検討していますが、留意点はありますか?
A 支配関係が生じてから合併事業年度開始の日まで5年以上経過しているかが判定ポイントとなります。
解説
合併法人の適格合併の日の属する事業年度開始の日の5年前の日から継続して支配関係がある場合に、合併法人は被合併法人の繰越欠損金を引き継ぐことができます(法人税法第57条第3項)。合併の効力発生日から5年で判定するわけではない点に留意が必要です。
法人税法第57条第3項(青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し)
3 前項の適格合併に係る被合併法人(同項の内国法人(当該内国法人が当該適格合併により設立された法人である場合にあつては、当該適格合併に係る他の被合併法人。以下この項において同じ。)との間に支配関係があるものに限る。)又は前項の残余財産が確定した他の内国法人(以下この項において「被合併法人等」という。)の前項に規定する未処理欠損金額には、当該適格合併が共同で事業を行うための合併として政令で定めるものに該当する場合又は当該被合併法人等と同項の内国法人との間に当該内国法人の当該適格合併の日の属する事業年度開始の日(当該適格合併が法人を設立するものである場合には、当該適格合併の日)の五年前の日若しくは当該残余財産の確定の日の翌日の属する事業年度開始の日の五年前の日、当該被合併法人等の設立の日若しくは当該内国法人の設立の日のうち最も遅い日から継続して支配関係がある場合として政令で定める場合のいずれにも該当しない場合には、次に掲げる欠損金額を含まないものとする。
一 当該被合併法人等の支配関係事業年度(当該被合併法人等と当該内国法人との間に最後に支配関係があることとなつた日の属する事業年度をいう。次号において同じ。)前の各事業年度で前十年内事業年度に該当する事業年度において生じた欠損金額(当該被合併法人等において第一項の規定により前十年内事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されたもの及び第八十条の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつたものを除く。次号において同じ。)
二 当該被合併法人等の支配関係事業年度以後の各事業年度で前十年内事業年度に該当する事業年度において生じた欠損金額のうち第六十二条の七第二項(特定資産に係る譲渡等損失額の損金不算入)に規定する特定資産譲渡等損失額に相当する金額から成る部分の金額として政令で定める金額