組織再編税制⑮-無対価合併の適格要件における「その者」に同族関係者を含めていないか?
Qオーナーが株式保有割合100%である会社と、オーナーが80%、配偶者が20%の株式保有割合である会社を無対価合併する場合に適格合併となりますか?
A非適格合併となります。
解説
「その者」が保有する被合併法人の保有割合と、「その者」が保有する合併法人株式の保有割合が等しい場合に適格合併となります(法人税法施行令第4条の3第2項第2号ロ)。法人税法施行令第4条第1項に規定する同族関係者は含まれませんので、合併法人と被合併法人の株主の株式保有割合が全く同じ会社でなければ、無対価合併が適格合併となることはありません。
法人税法施行令第4条の3第2項第2号ロ (適格組織再編成における株式の保有関係等)
二 合併前に当該合併に係る被合併法人と合併法人との間に同一の者による完全支配関係(当該合併が無対価合併である場合にあつては、次に掲げる関係がある場合における当該完全支配関係に限る。)があり、かつ、当該合併後に当該同一の者と当該合併に係る合併法人との間に当該同一の者による完全支配関係が継続すること(当該合併後に当該合併に係る合併法人を被合併法人又は完全子法人(法第二条第十二号の十五の二に規定する完全子法人をいう。以下この条において同じ。)とする適格合併又は適格株式分配を行うことが見込まれている場合には、当該合併の時から当該適格合併又は適格株式分配の直前の時まで当該完全支配関係が継続すること。)が見込まれている場合における当該合併に係る被合併法人と合併法人との間の関係
イ 合併法人が被合併法人の発行済株式等の全部を保有する関係
ロ 被合併法人及び合併法人の株主等(当該被合併法人及び合併法人を除く。)の全てについて、その者が保有する当該被合併法人の株式(出資を含む。以下この条において同じ。)の数(出資にあつては、金額。以下この条において同じ。)の当該被合併法人の発行済株式等(当該合併法人が保有する当該被合併法人の株式を除く。)の総数(出資にあつては、総額。以下この条において同じ。)のうちに占める割合と当該者が保有する当該合併法人の株式の数の当該合併法人の発行済株式等(当該被合併法人が保有する当該合併法人の株式を除く。)の総数のうちに占める割合とが等しい場合における当該被合併法人と合併法人との間の関係
法人税法第4条第1項(同族関係者の範囲)
法第二条第十号(同族会社の意義)に規定する政令で定める特殊の関係のある個人は、次に掲げる者とする。
一 株主等の親族
二 株主等と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者
三 株主等(個人である株主等に限る。次号において同じ。)の使用人
四 前三号に掲げる者以外の者で株主等から受ける金銭その他の資産によつて生計を維持しているもの
五 前三号に掲げる者と生計を一にするこれらの者の親族