グループ法人税制⑱-特定同族会社の留保金課税においては、益金不算入となった金額も留保金額を構成する点を見逃していないか?

Q 弊社は特定同族会社に該当し、留保金課税の対象会社です。グループ法人税制が与える影響を教えてくれますか?

A グループ法人税制の適用により益金不算入となった金額も留保金額を構成します。

解説
特定同族会社の留保金額には、受取配当等の益金不算入となった金額、完全支配関係者間の取引で、受贈益の益金不算入となった金額も含まれます(法人税法第67条第3項第2号、第4号)。

 

法人税法第67条第3項
3 第一項に規定する留保金額とは、所得等の金額(第一号から第六号までに掲げる金額の合計額から第七号に掲げる金額を減算した金額をいう。第五項において同じ。)のうち留保した金額から、当該事業年度の所得の金額につき前条第一項又は第二項の規定により計算した法人税の額と当該事業年度の地方法人税法第九条第二項(課税標準)に規定する課税標準法人税額(同法第六条第一号(基準法人税額)に定める基準法人税額に係るものに限る。)につき同法第十条(税率)の規定により計算した地方法人税の額とを合計した金額(次条から第七十条まで(税額控除)並びに同法第十二条(外国税額の控除)及び第十三条(仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う地方法人税額の控除)の規定による控除をされるべき金額がある場合には、当該金額を控除した金額)並びに当該法人税の額に係る地方税法の規定による道府県民税及び市町村民税(都民税を含む。)の額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額を控除した金額をいう。
一 当該事業年度の所得の金額(第六十二条第二項(合併及び分割による資産等の時価による譲渡)に規定する最後事業年度にあつては、同項に規定する資産及び負債の同項に規定する譲渡がないものとして計算した場合における所得の金額)
二 第二十三条(受取配当等の益金不算入)の規定により当該事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入されなかつた金額(連結法人である特定同族会社が他の連結法人(当該特定同族会社との間に連結完全支配関係があるものに限る。)から受ける同条第一項に規定する配当等の額に係るもののうち政令で定めるものを除く。)
三 第二十三条の二(外国子会社から受ける配当等の益金不算入)の規定により当該事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入されなかつた金額
四 第二十五条の二第一項(受贈益)の規定により当該事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入されなかつた金額
五 第二十六条第一項(還付金等の益金不算入)に規定する還付を受け又は充当される金額(同項第一号に係る部分の金額を除く。)、同条第二項に規定する減額された金額、同条第三項に規定する減額された部分として政令で定める金額、その受け取る附帯税(利子税を除く。以下この号において同じ。)の負担額及び附帯税の負担額の減少額並びに同条第六項に規定する還付を受ける金額
六 第五十七条(青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し)、第五十八条(青色申告書を提出しなかつた事業年度の災害による損失金の繰越し)又は第五十九条(会社更生等による債務免除等があつた場合の欠損金の損金算入)の規定により当該事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入された金額
七 第二十七条(中間申告における繰戻しによる還付に係る災害損失欠損金額の益金算入)の規定により当該事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入された金額