株式の譲渡取引⑩-個人株主が種類株式を譲渡する場合の1株あたりの譲渡原価の算出方法を整理せずに実務を行っていないか?
Q 普通株式と配当優先株式の2種類の株式を保有する個人株主が、1種類のみを譲渡する際の1株あたりの譲渡原価の算出方法を教えてくれますか?
A 各種類の株式がそれぞれ異なる価額で取引が行われる場合には、種類株式ごとに1株あたり譲渡原価を算出します。
解説
2種類の株式が発行されている会社の株式を、個人株主がいずれも保有している場合に、いずれかの株式のみ譲渡する際の取得価額の計算においては、各種類の株式の権利内容等からみて、各種類の株式がそれぞれ異なる価額で取引が行われるものと認められるときには、各種類ごとに取得価額を計算することになります(措置法通達37の10・37の11共-7)。
措置法通達37の10・37の11共-7(2以上の種類の株式が発行されている場合の取得価額の計算)
一般株式等に係る譲渡所得等の金額又は上場株式等に係る譲渡所得等の金額の計算に当たり、一の法人の2以上の種類の株式を有する場合には、各種類の株式の権利内容等からみて、各種類の株式がそれぞれ異なる価額で取引が行われるものと認められるときには、各種類の株式はそれぞれ異なる銘柄の株式として、所得税法令第105条第1項《有価証券の評価の方法》の規定を適用するものとする。(平27課資3-4、課個2-19、課法10-5、課審7-13追加)
(注) 一の法人等の2以上の種類(回号)の公社債を有する場合も同様とする。