非上場株式の評価㊲－自己株式の売却により生じたみなし配当金額の「1株当たりの利益金額」の計算調整で見逃している部分はないか？
Q 類似業種比準方式における「1株当たりの利益金額」の計算上、自己株式の売却により生じたみなし配当の金額の調整について教えてくれますか？
A 自己株式の売却によるみなし配当は、非経常的な利益ですので、課税所得として益金算入しているみなし配当部分を「非経常的な利益金額」に記載して除外するとともに、「受取配当等の益金不算入額」に算入しているみなし配当部分を除外します。
解説
自己株式の売却は臨時偶発的なものであり、これにより生じたみなし配当金額は非経常的な利益に該当します。
そのため、自己株式の売却法人の株式評価にあたり、類似業種比準方式による「1株当たりの利益金額」の計算から、みなし配当金額の影響する部分を排除する調整を行います。
具体的には、「第4表 類似業種比準価額等の計算明細書」の「非経常的な利益金額」欄にみなし配当の金額のうち、益金算入した金額を記載するとともに、「受取配当等の益金不算入額」欄からみなし配当の金額のうち、益金不算入とした金額を除外することになります。
国税庁HP 質疑応答事例 1株当たりの利益金額C－みなし配当の金額がある場合
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hyoka/07/12.htm