非上場株式の評価㊴-土地に圧縮記帳を適用している場合に、圧縮積立金をそのまま負債に計上していないか?

Q 純資産価額方式の計算上、土地圧縮積立金が負債に計上されている場合の取り扱いについて教えてくれますか?

A 土地の評価を行ったうえで、土地の簿価から対応する圧縮積立金を減額します(圧縮積立金は負債計上しません)。

解説
土地に圧縮記帳を適用した場合の仕訳は以下の通りです。

直接減額方式:(借方)土地圧縮損 ○○ /(貸方)土地 〇〇
間接減額方式(積立金方式):(借方)繰越利益剰余金 〇〇 /(貸方)圧縮積立金 〇〇

直接減額方式による圧縮記帳を行っている場合、帳簿価額をそのまま税務会計上の簿価とします。
間接減額方式(積立金方式)による圧縮記帳を行っている場合には、土地の帳簿価額から圧縮積立金を控除します(取引相場のない株式(出資)の評価明細書の記載方法等、第5表 1株当たりの純資産価額(相続税評価額)の計算明細書(2)(注)1)。

 

取引相場のない株式(出資)の評価明細書の記載方法等
第5表 1株当たりの純資産価額(相続税評価額)の計算明細書

(2) 「資産の部」の「帳簿価額」欄には、「資産の部」の「相続税評価額」欄に評価額が記載された各資産についての課税時期における税務計算上の帳簿価額を記載します。
(注)1 固定資産に係る減価償却累計額、特別償却準備金及び圧縮記帳に係る引当金又は積立金の金額がある場合には、それらの金額をそれぞれの引当金等に対応する資産の帳簿価額から控除した金額をその固定資産の帳簿価額とします。