非上場株式の評価②-取引相場のない外国法人株式(少数株主持分)を純資産で評価していないか?
Q評価対象会社が取引相場のない外国法人株式を保有しています。当該外国法人株式の50%超を保有する支配株主が別に存在するため、評価対象会社は同族株主以外に該当します。外国法人株式を評価する際に、特例的評価方式(配当還元方式)で評価することはできますか?
Aできると考えます。
解説
財産評価基本通達5-2で、国外にある財産についても、この通達に定める評価方式により評価することとされていますので、評価対象会社が同族株主以外に該当するのであれば、外国法人株式でも、配当還元方式による評価が可能であると考えます。
配当還元方式による評価が容認される趣旨について、財産評価基本通達188-2の逐条解説に以下の記載があります。
「事業経営への影響の少ない同族株主の一部及び従業員株主などのような少数株主は、単に配当を期待するにとどまるという実質のほか、評価手続きの簡便性をも考慮して特例的に採用した方式である」
したがって、評価対象会社による当該外国法人株式の保有目的が、配当還元方式による評価趣旨に沿う場合には、配当還元方式の適用が妥当であると考えます。
留意事項
評価対象会社による当該外国法人への支配の実態がある場合には、配当還元方式による評価は認められません。