非上場株式の評価③－配当期待権に帳簿価額があると考えていないか？
Q配当期待権の評価方法は財産評価基本通達193の通りだと思いますが、帳簿価額はどうなりますか？
A配当期待権の帳簿価額はありません。
解説
法人が他の法人から受ける剰余金の配当の額は、当該配当の効力を生じる日の属する事業年度の収益とする（法人税基本通達2-1-27(1)ｲ）ため、効力発生日において配当を受け取る権利が確定することになります。
配当期待権とは、配当金交付の基準日の翌日から配当金交付の効力が発生する日までの間における、配当金を受けることができる権利です（財産評価基本通達168(7））ので、あくまでも効力発生前の「期待権」にすぎません。
留意事項
評価差額に対する法人税額等に相当する金額（財産評価基本通達186-2)の計算に影響しますので、留意が必要です。