非上場株式の評価④-建物の帳簿価額に附属設備等が含まれていないか?

Q本社建物のみを保有する会社の決算書を見ると、減価償却資産として建物勘定のみが計上されており、附属設備等がありませんでした。建物勘定には附属設備等も含まれているとは思いますが、建築時の資料もなく分類は不可能なので、附属設備等はすべて「建物と構造上一体となっている設備」と判断し、建物の価額に含めて評価しましたが問題ないでしょうか?

A会社が附属設備等を償却資産として申告している場合があるため、必ず確認が必要です。

解説
会社によりますが、会計上は建物勘定のみを計上している場合であっても、償却資産の申告の際は、附属設備等を建物と区分しているケースがあります。会社が償却資産の対象としている以上、申告対象となった附属設備等については「建物と構造上一体となっている設備」ではないため、建物とは別途評価する必要があります(財産評価基本通達92(2)(3))。

附属設備等が償却資産の対象となっていないことを確認できれば、株式評価のためだけに建物と附属設備等を分類することはしません(できません)。