非上場株式の評価⑥-譲渡損益調整勘定を資産負債に計上していないか?

Q評価対象会社の法人税申告書の別表5には、グループ法人税制の適用を受けた譲渡損益調整勘定が計上されています。純資産価額の計算において、譲渡損益調整勘定は資産負債に含まれるでしょうか?

A含まれません。

解説
財産評価の原則は時価主義をとり、客観的な交換価値を示す価額により財産を評価することが原則です。グループ法人税制の適用を受けた譲渡資産の対価が時価で純資産評価に反映されており、法人税法上の損益の繰延措置により計上されている譲渡損益調整勘定には、客観的な交換価値は存在しません。

財産評価基本通達1(2)時価の意義
財産の価額は、時価によるものとし、時価とは、課税時期(相続、遺贈若しくは贈与により財産を取得した日若しくは相続税法の規定により相続、遺贈若しくは贈与により取得したものとみなされた財産のその取得の日又は地価税法第2条《定義》第4号に規定する課税時期をいう。以下同じ。)において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいい、その価額は、この通達の定めによって評価した価額による。