個人税務での勘違い防止⑧-シンガポールで保有株式を売却した場合には必ずキャピタルゲイン非課税となると考えていないか?
Qシンガポールに移住する際に上場株式を1億円以上保有していたため、国外転出時課税の申告を行い、納税しています。国外転出時よりも当該上場株式の株価が上昇しているため、キャピタルゲイン非課税であるシンガポール在住中に売却することを検討していますが、留意事項があれば教えてくれますか?
Aシンガポールでキャピタルゲイン非課税となる要件を充足しているかの確認が必要です。
解説
シンガポールでは、株式売却益(キャピタルゲイン)は原則非課税としており、投資目的で保有する株式や金融商品を売却するような資本取引から生じた売却益については、原則非課税となります。ただし、株式保有がトレーディングのためなど、利益を獲得する目的と認められる損益取引の場合は課税対象となります。
資本取引、損益取引の判定は、企業が保有する関連会社の株式の売却時における譲渡所得については、売却前に最低 24 カ月以上にわたり、20%以上の株式保有率を維持している場合にはキャピタルゲインに該当し、課税対象から除外されています。これに該当しない場合には、取引頻度、保有期間等によって資本取引か損益取引かの判定を行うこととなります(Inland Revenue Authority of Singapore)。
Inland Revenue Authority of Singapore
https://www.iras.gov.sg/IRASHome/Individuals/Locals/Working-Out-Your-Taxes/What-is-Taxable-What-is-Not/Gains-from-Sale-of-Property–Shares-and-Financial-Instruments/
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