個人税務での勘違い防止⑭-上場株式の贈与税申告において、2以上の証券取引所に上場している場合を見逃していないか?

Q上場株式を保有しており、子供への贈与を考えています。贈与日の最終価格、課税時期の属する月以前3か月間の最終価格の月平均額のうち、最も低い価格を贈与税評価額とすることができると聞きました。その他にも留意事項はありますか?

A複数の証券取引所に上場されているかどうかをチェックする必要があります。

解説
上場株式の銘柄によっては、複数の証券取引所に上場している場合があり、証券取引所により価格が異なることが多いです。納税者が証券取引所を選択できるため、例えば、東京証券取引所と名古屋証券取引所の両方に上場している銘柄であれば、それぞれの市場価格を調べて、最も低い価格を確認する必要があります。

 

財産評価基本通達169(上場株式の評価)
上場株式の評価は、次に掲げる区分に従い、それぞれ次に掲げるところによる。(昭47直資3-16・平2直評12外・平15課評2-15外・平20課評2-5外改正)

(1) (2)に該当しない上場株式の価額は、その株式が上場されている金融商品取引所(国内の2以上の金融商品取引所に上場されている株式については、納税義務者が選択した金融商品取引所とする。(2)において同じ。)の公表する課税時期の最終価格によって評価する。ただし、その最終価格が課税時期の属する月以前3か月間の毎日の最終価格の各月ごとの平均額(以下「最終価格の月平均額」という。)のうち最も低い価額を超える場合には、その最も低い価額によって評価する。

(2) 負担付贈与又は個人間の対価を伴う取引により取得した上場株式の価額は、その株式が上場されている金融商品取引所の公表する課税時期の最終価格によって評価する。