監査実務から税務実務への道⑨-公認会計士試験と税理士試験で決定的に異なる点を見逃していないか?
Q 公認会計士試験と税理士試験で決定的に異なる点を教えてくれますか?
A 公認会計士試験は、実務未経験者を入口で選抜する試験であり、税理士試験は、実務を行っている人に、資格を付与する試験である点です。
解説
公認会計士試験と税理士試験では、受験年齢層及び合格年齢層がまるで違う
公認会計士の合格者の平均年齢は24.5歳で、受験生の91.8%が学生等の働いていない層です(令和3年度公認会計士試験)。
一方で、税理士試験の官報合格者は、41歳以上が247人(38.1%)と最も多く、31歳以上で合格者全体の78.5%を占めています(令和2年度税理士試験)。
受験に専念している方も一部いるかもしれませんが、働きながら試験を受け、合格している方がほとんどです。
公認会計士試験は、実務未経験者を入口で選抜する試験であり、税理士試験は、実務を行っている人に、資格を付与する試験です。その点が決定的に違います。
【令和3年度公認会計士試験の最終合格者】
令和3年度の最終合格者(論文式試験合格者)は1,360人となっており、合格者の平均年齢は24.5歳です(最高年齢は60歳、最低年齢は19歳)。
合格者の職業は、「会社員」が111 人(8.2%)だけですので、残りの91.8%は働いていない学生や無職で専念している層です。
【令和2年度税理士試験の官報合格者】
令和2年度税理士試験官報合格者
25歳以下 43人(6.6%)
26~30歳 96人(14.8%)
31~35歳 126人(19.4%)
36~40歳 136人(21.0%)
41歳以上 247人(38.1%)
合計 648人
税理士試験の官報合格者(令和2年度)の中心は、41歳以上が247人(38.1%)と最も多く、31歳以上の割合が78.5%を占めています。