合同会社のメリットと留意事項①-合同会社に資本準備金があると考えていないか?
Q合同会社を設立する予定です。設立時の登録免許税負担が抑制できるメリットがあると聞きました。理由を教えていただけますか?
A合同会社への出資額のうち、資本金に計上しなかった額は全て資本剰余金(資本準備金はありません)に計上しますので、資本金の額を課税標準とする登録免許税の負担が抑制されます。
解説
株式会社の場合には、設立又は株式の発行に際して資本金の額として計上しなかった額の1/2を超えない額は、資本準備金として計上することになります(会社法第445条第1項〜第3項)。合同会社の場合には、当該規定の適用はありませんので、資本金の額を自由に決めることが可能です。
株式会社又は合同会社の資本金の増加の登記にかかる登録免許税はいずれも「増加した資本金の額×7/1,000」として計算されますので、資本金の額を自由に選択できる合同会社の方が、出資時の登録免許税の抑制につながります。
会社法第445条(資本金の額及び準備金の額)
株式会社の資本金の額は、この法律に別段の定めがある場合を除き、設立又は株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額とする。
2 前項の払込み又は給付に係る額の二分の一を超えない額は、資本金として計上しないことができる。
3 前項の規定により資本金として計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければならない。
4 剰余金の配当をする場合には、株式会社は、法務省令で定めるところにより、当該剰余金の配当により減少する剰余金の額に十分の一を乗じて得た額を資本準備金又は利益準備金(以下「準備金」と総称する。)として計上しなければならない。
5 合併、吸収分割、新設分割、株式交換、株式移転又は株式交付に際して資本金又は準備金として計上すべき額については、法務省令で定める。
6 定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号、第四号若しくは第五号ロに掲げる事項についての定め又は報酬委員会による第四百九条第三項第三号、第四号若しくは第五号ロに定める事項についての決定に基づく株式の発行により資本金又は準備金として計上すべき額については、法務省令で定める。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm