税理士の独立への道㉗-キャリアは偶然の産物であることを見逃していないか?

Q 税理士のキャリアを考えるうえで、重要なことを教えてくれますか

A キャリアは偶然の産物であるため、コントロールできないということです。

解説

キャリアの8割は「偶然から作られる」という研究結果があります。

上記は、ジョン・D・クランボルツ教授が1999年に提唱した「計画的偶発性理論」のもととなった研究結果です。

「計画的偶発性理論」の核となる考え方は以下のとおりです。

偶然の出来事がキャリアを左右する。だからこそ、何かが起きるのを待つのではなく、計画的に行動することで、偶然の出来事に出会うチャンスを増やすことが重要である。

例えば、「税理士を目指す」と決めることも、偶然の出来事かもしれません。
親族が税理士だった。資格の学校のパンフレットで税理士を知った。 など

「いつ税理士を目指し始めるか」も、偶然の出来事かもしれません。
学生の時に税理士を目指す。会社就職後に税理士を目指す。 など

「どの税理士事務所に入るか」も、偶然の出来事かもしれません。
小規模税理士事務所か、中堅税理士法人か、大規模税理士法人か。 など

「どの専門分野を選択するか」も、偶然の出来事かもしれません。
法人税申告業務か、相続/事業承継か、組織再編/M&Aか、国際税務か。 など

計画的偶発性を起こすために、必要となる5つの行動特性は以下のとおりです。

好奇心:新しいことに興味を持ち続ける
持続性:あきらめずに努力し続ける
楽観性:何事もポジティブに考え続ける
柔軟性:こだわりすぎずに柔軟な姿勢で臨み続ける
冒険心:挑戦し続ける

結局のところ、計画的偶発性理論とは?

「目標として描くキャリアプラン」を否定する理論ではなく、そこに向かって柔軟な姿勢で努力を継続することで、道は拓けていくというシンプルなキャリア理論だと思います