税理士の独立への道⑮-独立して初めて気づくことを見逃していないか?
Q 独立して初めて気づくことを教えてくれますか?
A 独立してみて初めて、組織のありがたさを感じるものです。
解説
「足ると知る者は富む」とは、「満足することを心得ている人は、たとえ貧しくても心が豊かであること」という意味の老子が記した「道徳教」の一節「知足者富」です。
日常の小さな出来事、周囲の人へ感謝する気持ちを持つことを大切にしている人は、心が豊かであることをいいます。
「足ると知る者は富む」という言葉を聞いたところで、頭で意味は理解できても、すぐに心が豊かになれるわけではありません。
言葉の意味するところを心から理解するのは、自分が身をもって体験したときです。
周囲の人や恵まれた環境を失った時に、初めて「足ると知る者は富む」という言葉が身に染みるのだと思います。
健康を失ってみないと、健康の大切さはわかりません。
大切な人を失って、その人の大切さがわかります。
組織にいる時には、組織に守られていることの実感は少ないです。
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組織のブランド力で仕事ができていること。
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最終的な責任を負わずにお客さんにアドバイスできていること。
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チームで役割分担して協力できること。情報交換できること。
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毎月もらえる給与が心の安定につながっていること。
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風邪をひいたり体調を崩した際に代わりがいること。
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有給休暇があること。
など
独立して組織を離れてみて、初めて組織のありがたさに気づく人は多いと思います。
先に述べましたが、人は失わないと現在あるもののありがたさに気付けないものです。
「失う」ということを体験して、初めて今置かれている環境が恵まれていたことに気付けます。
そうであっても、失う前に今置かれている環境の状況に気づきたいものです。
今置かれている環境に不満があるかもしれませんが、感謝できることは多々あると思います。
独立を検討している方は、今ある環境のメリットデメリットをしっかり把握しましょう。
それでも独立したいと思えた方は、独立に踏み切りましょう。